地理の授業ネタ 何もかもが正しくない地図

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授業ネタの動画投稿のお知らせ:「地図」

 sogeoです。授業で話すと興味を引ける小話の動画を「地理の総合力 動画館」にアップロードしました。こちらから動画販売ページに移動することができます。地理を担当することになる教員の方に、うまく活用していただければと思います。

 今回は、高校地理・中学地理の「地図(図法)」で扱うと効果的な小話です。地理総合の大項目A「地図や地理情報システムで捉える現代世界」のテーマなどでも活用できそうです。

実践の概説

 基本的な知識として、世界全図に用いる図法の「メルカトル図法」「モルワイデ図法」「正距方位図法」などは教えることになります。地球は球体ですから、それを平面に落とし込むとき、距離、方位、面積、角度などの要素をすべて正しく保ったまま作ることは不可能です。そのため、角度の正確さを優先してメルカトル図法、面積を保ったモルワイデ図法……と、特定の要素だけを正確にし、航海図や分布図など、用途に合わせて図法を使い分けるようにしたわけです。

 さて、それらの基本知識を踏まえたうえで、これまで目にしたことのある世界地図が何図法で書かれているのか、改めて考えてみましょう。地図帳の表紙をめくったところにある世界全図はよくよく使いますが、これは何図法か。一見メルカトル図法みがありますが、よく地図を見ると、何図法なのかはきちんと書かれています。その名は……「ミラー図法」?

 実はこの図法、距離も方位も面積も角度も、何もかもが「正しくない」図法なのです。どうしてそんなものが採用されているのか? 教材提案だけでなく、授業中における話し方も感じていただける動画をアップロードしておりますので、こちらからぜひご覧ください。

おまけの話

 世の中には、「正確さ」だけが正義ではない、というメッセージも伝えられそうな内容です。全ての仕事を100%でやらなければいけない、と言われてしまうと、教師という仕事はとてもやっていけません。今授業している生徒たちよりも、また数年後に教える生徒たちに対しての方が、より洗練された授業ができるからです。決して生徒たちを実験台にしようとしているつもりはありませんが、回数を重ねるごとに成長していくのはどうしても避けられません(というか、成長しない教員の方が嫌だ)。

 ですので、「君たち自身も、普段の勉強や、将来仕事をするとき、100%完璧にしなくては……と思いすぎる必要はないよ」と、肩の力を入れすぎてしまいがちな生徒に伝えてあげたいですね。

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