地理の授業ネタ 31個の都道府県が消滅する?

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授業ネタの動画投稿のお知らせ:人口

 sogeoです。授業で話すと興味を引ける小話の動画を「地理の総合力 動画館」にアップロードしました。こちらから動画販売ページに移動することができます。2022年度以降、地理総合や地理探求など、地理を担当することになる教員の方に、うまく活用していただければと思います。

 今回は、高校地理Bの「人口」のテーマの導入部分などで使える小話です。とくに日本の話に寄っているので、中学校社会科地理的分野でも、日本の人口のテーマを扱う際に使えそうです。地理探究においては、大項目C「現代世界におけるこれからの日本の国土像」の内容などで扱えるかと思います。

実践の概説

 日本の人口が減少トレンドに入ったことは、生徒たちもよく知っています。ですが、それが自分たちの人生にどう影響するか、というところまで考えられている生徒は少ないでしょう。就こうと思っている仕事が人口減少の影響をどう受けるか、など、「自分ごと」として人口減少社会を考えるきっかけを与えたいところです。

 そこで、教員自身が仕事をする期間を取り上げて、定年退職するまでの間に人口がどの程度減少するかという予測を提示し、その人口変動がどのくらいの規模なのかを考察します。減少する人口を数値で示されても、大きな数はイメージがしにくいことがあるので、いろいろと角度をつけて数字の意味を浮き彫りにさせます。

 現在の都道府県制度が大きく揺らぎかねないことを示されて、意識の持ち方が変わる生徒が出てくることを期待します。そこから人口問題について教科書的な事柄を学ぶことで、授業に対する姿勢を変えられればと思います。教材提案だけでなく、実際の授業中の流れが分かる動画をアップロードしておりますので、こちらからご覧ください。

合わせて考えていること

 人口が4,000万人減少すると、現在の都道府県でいえば人口下位から31の県が消滅しかねない、という話をしたわけですが、実は明治時代の廃藩置県によって府県がおかれ、そこからしばらくして現在の47都道府県が成立した頃くらいの人口が、だいたい8,000万人程度だったようです。

 ということは、明治時代の地方自治の様子などを研究して立ち返っていけば、人口8,000万人の社会でも都道府県はそのままで問題ないのかも。ただ、明治時代と比べると、開拓された土地、インフラ、産業と経済、通信技術の発達、などいろいろな要素が変化した社会になっています。一度大きく膨らんだものを再び縮小させていくのは容易ではないので、やはり単純に元通りにはできないでしょう。

 明治時代は情報の少なさや移動手段の乏しさから、生活地を大きく変えることは難しかったかもしれませんが、現在は生活の便利さから誰もが首都圏に居住することを望むことができますし、そうなると無人の土地、インフラを通しても採算が合わない地が出始めて、衰退する地方が増えるというのも起こりうるのではないでしょうか。

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