授業のための参考書籍紹介:『人口減少経済 早わかり』

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授業作りを助ける1冊

 sogeoです。地理の授業づくりを進めるにあたって参考になる書籍の紹介をします。高校地理必修化に伴い、初めて地理の授業を担当する先生方はもちろん、地理を教え慣れている先生方にとっても有用な1冊です。生徒に薦めてより深い学びを促すことにも使えます。

 今回はこちらの書籍です。主に「人口」の単元で活用できます。地理総合の柱B(2)「地球的課題と国際協力」や、柱C(2)「生活圏の調査と地域の展望」地理探究の柱A(4)「人口、都市・村落」でも活用できそうです。↓の各ボタンからご確認いただけます。

奥村 隆一(著), 2016, 日本経済新聞出版

概要

 現在から未来にかけて、日本で大きな問題とされている「人口減少」。日本社会はこれまで、効率的なインフラ整備や拡大するニーズに応えた製品の大量生産など、「人口増加に対応した国づくり」を行ってきました。しかし、社会や経済の成熟により、人口減少局面に入った今、「人口減少に対応した国づくり」が必要となっています。

 この課題に対して、筆者は、「資産を生かして、暮らしの満足感を高める」という方向への発想転換や、「成長」や「増加」を是とする価値観を見直しであると指摘しています。本書はこのような観念に基づき、①子育て ②老後と消費 ③介護・医療 ④まちづくり ⑤働く ⑥産業の6つの切り口から、これからの現状の問題及び今後の目指すべき姿を示しています。

奥村 隆一(著), 2016, 日本経済新聞出版

印象的な部分や感想

 本書は、各章の中でも項目が細分化されており、一つ一つのテーマが簡潔に書かれており、誰でも読みやすいようになっているのが好印象です。様々な角度から、人口減少が社会に及ぼす影響、そしてその解決策を提示しているため、現在の社会を分析し、これからの社会を展望する上で参考になる1冊です。 

 各テーマ毎に、人口減少社会での課題が浮き彫りになる本書ですが、4章でのまちづくりに関する今後の展望については、より具体的かつ現実的な検討がなされているように感じます。本書は発刊が2010年であるため、かえって発刊時から現在までの変化も念頭に置いて読むことで、問題がより顕在化して感じられます。

 地域主権に関する行政の動きは、まさに現在進められていることでもあり、難航している部分でもあります。住民自治に関する部分は、現在の状況と照らし合わせることで、読み応えのある内容でした。

 人口問題を題材とした探究活動でも活用できるほか、生徒に推薦して関心・意欲を刺激することにも使えます。電子書籍版もありますので、ご自身にとって扱いやすい方を下の各ボタンからご利用下さい。

奥村 隆一(著), 2016, 日本経済新聞出版

 人口減少については、これまでもこちらの記事「地理の授業ネタ 31個の都道府県が消滅する?」や「授業のための参考書籍紹介:『人口減が地方を強くする』」でも取り上げています。併せてご利用ください。

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