授業のための参考書籍紹介:『新 モノでまなぶ日本地理』

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授業作りを助ける1冊

 sogeoです。地理の授業づくりを進めるにあたって参考になる書籍の紹介をします。高校地理必修化に伴い、初めて地理の授業を担当する先生方はもちろん、地理を教え慣れている先生方にとっても有用な1冊です。生徒に薦めてより深い学びを促すことにも使えます。

 今回はこちらの書籍です。特に「日本地理」に関連する単元で活用できます。地理総合の柱C(2)「生活圏の調査と地域の展望」や、地理探究の柱C(1)「持続可能な国土像の探究」のほかにもいろいろな単元の中で、様々な小話として展開できるネタがたくさん掲載されています。

概要

 本書は、東海中・高で地理の教員をしている小田忠市郎先生の書籍です。実際の教員生活の中で収集された様々な話題が、ときには教師と生徒の会話文のような形式で展開され、授業中の生徒との対話を想定しながら授業準備に使うことができます。

 北海道から沖縄に向かう形で、それぞれの都道府県ごとに特定の物品を取り上げ、特徴や地理的背景を説明するものになっています。食材や特産品だけでなく、地名の由来や言語、工業製品など幅広く、生徒の年齢層や興味関心などに合わせて選択することができます。

印象的な部分や感想

 本書では日本各地の様々な逸話を、新しいものから古いものまで広く知ることができます。私自身も、山形の芋煮会の話は動画とともに見せてみたり、神奈川県の長野県の「黒馬」が「白馬」になった話など、鉄板ネタのように使わせていただくようになったものもあります。教員自身の成長にも繋がる、面白い内容が盛りだくさんでした。

 場所、人、物の繋がりを紐解く地理学習において、生徒たちが具体的に想像しやすい身近な物品から話題を広げていくのは、有効な手法です。幅広い引き出しを持つことで生徒の興味関心を引くことができますが、一人の教員、特にまだ若い教員だけでは、多くのネタを収集するにも限界があります。

 そこで、先達のもつ叡智を授かり、そこから自分の授業に活かせるものを効率よくストックしていくのは、とても重要な教材研究手法です。うわべだけをなぞっていては、予想外の質問に対応できなかったり、魅力が半減してしまうこともありますし、時代に応じたアップデートも必要ですが、自らの教材作りを重ねて洗練させることで、多くの生徒の心に火をつけられるでしょう。

 人々の生活とそこに込められた想いを知ることから、地域の新たな「なぜ」に迫るという、探究活動のきっかけとしても活用できそうです。教材作成のための研究はもちろん、生徒に推薦して関心・意欲を刺激することにも使えます。電子書籍版はありませんが、ご自身にとって扱いやすい方を下の各ボタンからご利用下さい。

 また、世界地理バージョンも存在し、こちらも授業中に話せるネタが満載。地理を初めて教える先生方も、教え慣れている先生方も、小田先生の収集した優れた話題から多くの学びを得ていきましょう。授業をするのが楽しみになるはずです。

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