授業のための参考書籍紹介:『図説 世界の地域問題 100』

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授業作りを助ける1冊

 sogeoです。地理の授業づくりを進めるにあたって参考になる書籍の紹介をします。高校地理必修化に伴い、初めて地理の授業を担当する先生方はもちろん、地理を教え慣れている先生方にとっても有用な1冊です。生徒に薦めてより深い学びを促すことにも使えます。

 今回はこちらの書籍です。地図を用いて世界の地域問題に立ち向かうという、地理総合にぴったりの一冊です。↓の各ボタンからご確認いただけます。

漆原 和子ほか(編), 2022, ナカニシヤ出版

概要

 この本は、世界各地の地域問題について100テーマを取り上げています。前書きにも書かれている言葉の引用ですが、「地理教育の現場で主題図を通じた地域問題を取り上げる入り口になるように配慮して」作られています。地理総合では地図が重要視されており、それを用いて探究活動にも広げていける良書です。

 本書籍では、テーマ1~7では諸問題への取り組み方などの総論、テーマ8~15は世界全体(やや自然地理寄り)、それ以降はオセアニア、ヨーロッパ、日本など地誌的にクローズアップして問題が取り上げられます。いずれも地図が豊富に用いられており、地図を使うことで問題を可視化し、解決の糸口を探せるという、レポート作成等における重要な視点を得させることができます。

漆原 和子ほか(編), 2022, ナカニシヤ出版

印象的な部分や感想

 多数の専門家によって、様々な視点での諸問題が取り上げられており、それらが全て見開き1ページに収まるように構成されています。見出しも用意され、新聞記事のように読み進めることができます。地図の他にもグラフなども充実しており、探究活動と研究発表の手法を生徒に伝えて参考にしてもらうこともできそうです。

 あくまでそれぞれの問題の「入り口」としての色が濃いので、それぞれの内容だけではどうしても浅くなってしまいますが、自分なりの気付きと課題の発見をし、更なる調べ学習をしていくことに繋げられます。「問い」を自ら持つという活動にはちょうど良いといえます。

 自然地理・人文地理の双方の視点を用いるので、文理を横断する地理の深さを感じられます。生徒の進路選択の面でも、地理の持つ力(≒どんな仕事に就く上でも使える力)や重要性を意識してもらうこともできそうです。地理総合の学習に加え、探究活動にも繋げられ、地理に興味のある生徒に推薦して関心・意欲を刺激することにも使えます。電子書籍版はありませんが、ぜひ下の各ボタンからご利用下さい。

漆原 和子ほか(編), 2022, ナカニシヤ出版

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