共通テストお疲れさまでした
sogeoです。2022年1月15日・16日に、大学入学共通テストが実施されました。受験生はもちろん、送り出した先生方も、お疲れ様でした。
今回は、第一日に行われた地歴公民の試験のうち、地理Bの試験について、少しの分析と感想を述べていきます。来年度以降に問題を比較・検討するための、自分自身の備忘録としての面も強く、とりとめのないものにはなりますが、お付き合いいただければと思います。
全体的な感想
総合・探究活動が重視される方向に学習指導要領が変わっていくことが意識されており、「初見の資料に向き合い、習得した知識と結び付けながら解答を導き出す」というプロセスが、より深化したように感じます。試行調査や昨年の問題では、少し国語的というか、日本語力による部分が多い印象もありましたが、今年度の問題はより社会的・地理的で、きちんと統計データを分析、かつ前もっての知識も必要、というバランスが良いように感じました。
資料の量はかなり多いため、時間が厳しくなる生徒も出てくるかと思います。知識があれば即答で片づけられる、という問題は少なくなっています。例年からじわじわと小問数が減少してきているので、制作側も解答時間を気にしているのでしょう。1問の配点が大きくなっているということでもあるので、落ち着いて考える必要があるでしょう。
勉強の指針:「バランス」「楽しむ」
どの教科書や資料集にもそこまで細かくは載っていない、という地図・図表・グラフが出てくるが、それをかみ砕いて「言語化」していくことで、既に持っている知識で考えられる状態に落とし込める……という流れが、よくできている問題が多かったと存じます。
「教科書を見ながら解いて良い」という状況だとしても、カンニングペーパーとしてそのまま使えて解けるわけではなく、思考力と分析力が必要。かといって、教科書的な知識を全く習得しないままだと、分析できても答えにたどり着けない。世の中の社会問題を解決する上でも、両方の力が必要になりますから、社会に羽ばたく人材を育成する目的で見たとき、そのバランスが良く作られていると感じます。
初めて出会う敵を、よく分析して言語化していけば、自分の持っている武器での対応方法が見えてくる……。まるでマンガやアニメのファンタジー世界で、強大な敵を前に苦しめられながらも、知恵とひらめきを駆使して打ち倒すような爽快感。あるいは、論理的にパズルを解くような気持ちを持ちながら挑むことができ、楽しく取り組める受験生もいることでしょう。
学習のうえで「楽しい」という感覚は大切ですから、そういう意味で共通テスト地理は好ましく思っています。私の授業でも、「言語化」をキーワードにし、示されているデータを言葉に置き換えることを重視しようと考える機会になりました。もちろん、知識習得がおろそかだと楽しめないので、授業中は思考活動だけでなく知識教授も大切です。地理教員としてバランスの模索に努めたい所存です。
各設問についても、解く流れや気になったことを書いていこうと思います。本記事内では少し長くなってしまうので、こちらの記事「ブログ:2022年度 大学入学共通テスト 地理Bの各設問について」にて記していますので、長くなっておりますがそちらも併せてご覧いただければと思います。
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