授業のための参考書籍紹介:『地図化すると世の中が見えてくる』

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授業作りを助ける1冊

 sogeoです。地理の授業づくりを進めるにあたって参考になる書籍の紹介をします。高校地理必修化に伴い、初めて地理の授業を担当する先生方はもちろん、地理を教え慣れている先生方にとっても有用な1冊です。生徒に薦めてより深い学びを促すことにも使えます。

 今回はこちらの書籍です。主に「地図」の単元で活用できますが、系統地理の広いテーマを扱っているので、他の単元でも活用できます。地理総合の柱A(1)「地図や地理情報システムと現代世界」や、地理探究の柱A(1)~(5)でも活用できそうです。↓の各ボタンからご確認いただけます。

概要

 本書は、あらゆるデータを地図に落とし込む(地図化)ことで、その資料の特徴を浮き彫りにし、また分かりやすく示す試みを多数紹介するものです。

 第1章「地図と地理」では、地図の始まりからデータ化された地図まで、地図というものの性質や歴史を俯瞰しています。第2章から第6章にかけては、様々な「地図化」をテーマ毎に紹介しています。各テーマは第2章「自然環境」、第3章「産業」第4章「資源・エネルギー」、第5章「生活・文化」、第6章「人口」です。

 高校地理の各単元とも関連性が強くありながら、身近なトピックに関するデータを取り上げて地図化しており、一つ一つが面白く、地図が持つ力への興味を深めるきっかけになるような1冊です。

印象的な部分や感想

 農作物の輸出量や、合計特殊出生率、肥満率など、数値で出てくるさまざまなデータは、表やグラフ等を使って様々な表現ができます。これらの多くは、さらに地図に落とし込むことが可能であり、地図で見ることに初めて見えてきたり、より分かりやすくすることができたりします。

 印象的だったものの1つに、綿花の産地変化を地図化し解説したものがあります。生産量の増減を世界地図に落とし込むことで、増減している地域の分布が一目で分かります。この要因について、気候的な背景や、政策に触れており、気候と、政治、歴史の密接な関係性を考えさせられます。

 本書では、各項目毎に、ユニークかつ分かりやすい地図が入っています。これらを見ると、様々なデータを地図に落とし込む手法や、その可視化効果を知ることができます。より分かりやすい地理資料を作成したいという方にオススメしたい一冊です。

 また、1項目がそれぞれ短く、楽しんで読めるように構成されているので、地図というツールの可能性や面白さを紹介する本としても大きな期待が持てます。様々なテーマの探究活動でも活用できるほか、生徒に推薦して関心・意欲を刺激することにも使えます。電子書籍版もありますので、ご自身にとって扱いやすい方を下の各ボタンからご利用下さい。

 また、2019年には、地誌を中心とした続編(姉妹本)も出版されています。こちらも下のリンクから併せてご覧いただくことで、より深く学習できます。下の各ボタンからご利用下さい。

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