授業のための参考書籍紹介:『その日常、地理学で説明したら意外と深かった。』

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授業作りを助ける1冊

 sogeoです。地理の授業づくりを進めるにあたって参考になる書籍の紹介をします。高校地理必修化に伴い、初めて地理の授業を担当する先生方はもちろん、地理を教え慣れている先生方にとっても有用な1冊です。生徒に薦めてより深い学びを促すことにも使えます。

 今回はこちらの書籍です。地理的な見方によって物事の捉え方が広がることを、地理総合でも伝えていけそうです。↓の各ボタンからご確認いただけます。

概要

 この本は、地形図も用意された架空の地域を舞台として、それなりの分量を持つ小説が5章立てで展開されます。それぞれの章末に、「地理の目」と称して、地理的な視点から小説内の地域や出来事についての解説が為されます。小説を楽しむだけでなく、地理学によって解像度を上げることができます。

 本書籍は第5章の構成となっています。小説の区切りごとに展開される「地理の目」の内容としては、地域を知ろうとすること(フィールドワーク)、地図を使った調査、農作物について、聞き取りによる地域調査、宗教の広がりの5種類になっています。併せて、付随するエピソードも「寄り道」として紹介されています。

印象的な部分や感想

 同じ著者の「あれもこれも地理学」などでも、家族の1日の生活を例にして、その中でもたくさんの地理的な考察が可能である、という示唆を与えていました。そちらは地理的記述が中心で、物語の量は僅かでしたが、そちらと比べると本格的な物語が展開されます。読み進めてから、「地理の目」を介してもう一度読み直して楽しめる、という作りになっています。

 高校地理でも伝える地域調査やウェブGIS、農作物のことも扱いますが、本格的に学問として研究する視点で説明されているので、高校の学習用というよりは、大学で学べることの紹介として、進路を考える参考の1つとしても扱えそうです。

 引っ越して新しい地域で生活する家族、子育て、といった実生活のことを意識するきっかけにもなる内容になっています。自分の生き方をより良くするために地理学と向き合ったり、探究活動にも繋げられそうです。地理に興味のある生徒に推薦して関心・意欲を刺激することにも使えます。電子書籍版はありませんが、ぜひ下の各ボタンからご利用下さい。

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